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Women’s participation in inventive activity -Evidence from EPO data

1.はじめに

  • 妻が参加していたセミナーで「家事・育児のイクイティはイノベーションにつながるのか」という話を間接的に聞いて。

  • (特許以外の分野で沢山あるでしょうが)関連する論文がないか探していたら、「Women inventors」というページがあるのを発見。なお他にも「Clean energy technologies」「Green tech in focus」とか熟読したいものが多数ありました。

  • 今回紹介するのは「 Women’s Participation in Inventive Activity」(2022年11月公開)



  • 表紙の女性はKatalin Karikóという方で

Katalin Karikó developed a way to modify messenger ribonucleic acid for safe use in the human body, paving the way for its use in COVID‑19 and other vaccines, as well as prospective therapies for cancer and heart disease.


2.内容

「6. Conclusion」の部分から要約

【その1】

  • ジェンダー ギャップは、技術や出願人の種類によってかなり異なります。

  • 分野が科学に基づいているほど (特に生命科学に近い分野)、特許取得における大学や公的研究所の割合が高いほど、女性発明者のシェアが高いです。

  • これは、ジェンダーギャップがより深刻な分野は、仕事の慣行や文化的受容の観点から、ジェンダーギャップが弱い分野から(女性の力を?)有益に借りることができることを示唆しています。

【その2】

  • チームリーダーの間で女性の割合は依然として低いものの、チームワークの重要性に伴い、特許における女性の存在が増加しています。

  • 技術の違いは根強くありますが、知識の蓄積に伴う知的労働の分業化が進んでいるため、チームワークとコラボレーションの重要性はあらゆる分野で高まっています。

  • この傾向は、特許における女性の将来にとって良い兆候であり、適切な政策と人的資源管理の慣行によってサポートされるべきです。

  • 女性科学者の国際的な流動性を刺激する努力は、移民の発明者の間で観察されたより高い女性発明者率に照らして、この文脈で有望な手段になる可能性があります


3.感想

以下、論文の中の図表を参照しつつ。

  • 論文の中で繰り返し出てくる「WIR」というのが最初に目につきました。

The share of women inventors has increased steadily over time but is still below parity with that of inventors who are men. In EPO countries, the women inventor rate (WIR), which measures the percentage of women inventors among all inventors in patent applications in a given year, increased from around 2% in the late 1970s to more than 13% in 2019.

ということで 女性発明者の割合の様子。50年間で2%から13%まで全体としては増加。




  • JPもUSやEPほどでないけれど増加しています。




  • ⇓これはEPOに限定したWIR

・EUの各国毎。Latviaが1位なのが気になりました。





  • 分野や出願人タイプ(大学・研究機関/企業/個人)でもWIRは増加中。大学・研究機関でのWIRは高いです。


  • バイオテクノロジー、製薬、食品、Organic fine chemicalが多いです。


  • 大学・研究機関とその他のWIRの割合の有意差の確認。ほとんどの分野で偶然とは思えないほど差があり。



  • (女性が1人以上含まれる出願中の)特許の質上位5%とその他で特許を区別したときのWIRの値比較。特許の質が高い出願はWIRが高いことが判明。全体ではどうなのか?

  • 「特許の質」は、請求項数、直近5年被引用数、パテントファミリー数、generality(被引用分野の多様性)、originality(関連のなかった分野を引用で結合する程度)、radicalness(他分野の引用)で測定。




  • こんなデータもあるですね。WIRとその他女性の指標(割合)との比較。



  • 調査のもとにした特許データの発明者名から女性名/男性名を分けられた割合。JPの名前も結構女性/男性を分けられる(90%以上)できるんですね。CNやKRは50%くらいしかとれてないので参考値でしょうか。




  • 女性発明者のすごさを思い知ることができました。所泥子に入る女性発明者の写真がかっこいいです。


4.関連

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